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監督:深作欣二 脚本:笠原和夫


シネスケ

仁義なき戦いシリーズの二作目。
1作目とこの2作目は、20歳くらいの頃に一度みてるのだけど、
さっぱり面白さがわからなかったので、
もう一度観てみようと人気の高い二作目を手に取った。

視聴してみると、一度見たはずなのに記憶にまったくない・・・ホントに観たのか?
歳を食ったからか、今度はなにやらわからんが面白いと感じた。

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しかし、実話を映画にした実録ものであるからだろうけど、
ストーリー的にはまとまりがなく散漫な印象で、そのうえ、
ただでさえ聞き取りにくい広島弁が、演者たちの熱演のせいでさらに聞き取りにくい。何言ってるかわからん。

登場人物たちの背景や所属も。いろいろな組や上層の会があり、それを把握しないことには(映画のテンポがいいのも手伝って)置いてきぼりだ。

邪道だとは思ったが、台詞とあらすじを再録しているサイトを見つつ、ストーリーの流れを確認しながら、細切れに観た。

夜刊ロロモ より「仁義なき戦い詳細」ページ

この作品の売りのひとつであるテンポが犠牲になったかもしれないが、そんなのはいずれまた見たときに楽しめばいい。
おかげで1回の視聴で状況を把握しながら最期まで映画を楽しめた。

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シリーズでもこの二作目「広島死闘編」は番外編のため、脇役でありながら主役扱いの菅原文太に見せ場を作るという無理も手伝って、全体の流れはやはり散漫。

登場人物それぞれのエゴを丁寧に描いてるので、
少し油断してると、どこそこでメンツが立たないだとかいう殺し合いが始まり、観ているほうは焦点があわせづらい。

しかし本筋はしっかりあった。
様々な登場人物のエゴや謀略やバイオレンスの描写に隠れて、主人公の出番は極端に少ないが、ロミオとジュリエットのような悲恋がメインになっている。
大筋としては、山中という男のたどる悲劇の一生の物語だ。
予科練に入ったが特攻隊世代に年齢が届かず、死に場所を失くし宙ぶらりんの戦後の中で、エネルギーのはけ口を求めてさまよう野良犬みたいな男の生涯。
そして、それに寄り添う特攻隊員の未亡人。戦後の匂いが漂ってくる設定だ。

主人公の山中正治(北大路欣也)は、山上光治という実在のヤクザをモデルにしている。
最近コミックにもなっている有名人(たぶんこの映画のせいもある)だ。

『武勇ヤクザ伝山上光治 不死身の男編』
本堂淳一郎、多田拓郎(竹書房)

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この映画の感想をネットで見ると、
主人公山中は、劇中のラストで語られるように「男の中の男」。

そして、千葉真一演じる狂犬、大友勝利(かつとし)のセリフにしびれる人も多いようだ。

僕はどちらにも共感でできずじまいで、
山中は、村岡組長に最期までいい様に利用されるばかりで、何度騙されても懲りずにまた騙される。
騙された挙句に、恩人高梨の叔父貴まで殺害してしまうわけで、こんな直情馬鹿に憧れるのは無理!

しかし、そういうアホが自分に筋通すのがひとつの正義であり、そういう価値観をクローズアップしたこういう映画世界に、そんなツッコミいれるのも野暮。
だから、三白眼で一所懸命まっすぐに前を見つめる山中のひたむきさは魅力があったといっておく。

そしてもうひとりの立役者。千葉演じる勝利だが。
勝利の吐くセリフにあまりしびれなかった僕は、オスとしての本能が弱いのだろうか?
とにかく彼のどこにも自分を重ね合わせることは不可能だったし、対して、さり気ない行動にも侠気があふれる文太兄ィはかっこいいと思った。

しかし勝利。悪党としては魅力十分。
毒々しいセリフは、そのまま毒として受け取ったが、たしかにものすごいインパクトのキャラだ。
最初から最期まで主役を食いかねないエネルギーに満ち溢れている。


川谷拓三演じるチンピラへのリンチシーンがすごい。
拉致られて凄惨な責めを受けたあとに、
無人島で木に吊るされて射撃の的になるのだ。
川谷が『県警対組織暴力』で、取調室で丸裸にされボコボコにされるあのシーンがかわいく見える。

その間、勝利は終始殺戮を心から楽しんでいる。
彼の異常性を表現し得た千葉の怪演は、のちの拳法キャラはなんだったんだと思うくらい見事。

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※以下ネタバレ注意

アマゾンドットコムのレビューでこういう謎賭けをしてる人がいた。
不屈の闘志とひたむきさで、破門や投獄の淵から不死鳥のように何度も蘇る不屈の山中が、なぜ自殺したのか。

山中のモデルになった実在の山上光治という伝説のヤクザが、どういう人生をたどって、どういう終焉を迎えたか知らないが、映画に関しての僕の答えはこう。

まず山中は、特攻隊志願の願望をみても、元々が死に急いでいる人間であるように思える。
生き方は死に方と同義だという死生観を根底に持っている様子。
勝利も山中も、監督の分身であるかのようにエネルギッシュだが、
山中は、勝利のように表象の「生」には興味がない、間逆のエネルギーをもった人間。

山中と勝利の、二つの相対する極端な価値観をもつ人間の戦いが、この映画をエンタメとして成立させているのならば、
冒頭でボコられるのも必然、ラストで決着が着くのも必然。

つまり、ラストの主人公の自殺は。
ふたりの因縁の決着だったのではないだろうか。

山中に負傷させられ勝利は、ラスト20分を残して逮捕されてしまい。
物語を引っ張ってきた大友組と村岡組の抗争は決着してしまう。

しかし物語はまだ続き、山中は警察の包囲網に追い詰められる。
抜け出すのは不可能。
山中はしきりに獄中での惨めな生活に対しての弱音ともとれる愚痴を吐いていた。自首はありえない。

一方、山中が命を獲り損ねた勝利は生き延び、
「皆殺しにしてやる」といった若かりし頃の山中のあの復讐宣言は、途中で挫折してしまったかに見えるが、たぶん違う。

山中はドツボにハマって最悪の結末を迎えたが、
同じくヘタをうった勝利は、山中に足を撃たれて20年は獄につながれる。
その間に、ケジメを取るべき相手の山中はあの世にトンズラしてるのだ。
これではヤクザの命に等しいメンツも丸つぶれ。

そして勝利(かつとし)の名セリフとされるあの発言が、皮肉な形で思い出される。

「わしら、うまいもの食うてよ。マブいスケ抱くために生まれてきとるんじゃないの」

とまで豪語していた勝利にとって、
無期懲役というのは、彼の敷いた人生観において決定的敗北以外のなにものでもない。
その勇ましい名前にふさわしくないドツボにハメられたのだ。

ろくな死に方しないのは極道なんだから当たり前だとして。
このふたりの間の勝負に限って言えば、山中は勝ち逃げしたんだと思う。
そして、エンタメ映画は最期に悪党がやっつけられなければならないのだ。

仁侠映画からの脱皮を図ったことで有名なこのシリーズだけど、
結局は仁義と外道の戦いを描写し、そして仁義が勝つという任侠映画の法則にのっとっている。

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 (おまけ)原爆スラムについて

ところでこの映画。戦後間もない頃の闇市や繁華街の描写や、原爆スラムも風情があって見所だった。
この原爆スラム、たぶんロケだよね?
スラムクリアランスとやらでなくなってしまったようだが、
昭和48年にはまだあったのだろうね。
調べたら昭和49年に着工だそうで、この映画はギリギリだったわけだ。

しつこく検索してたら2chの投稿でこんなのみつけた。
やっぱロケのようだ。

昔の広島市内を懐かしもう・・・http://chugoku.machibbs.net/kako/2003/1035006144.html

20 名前: ....... 投稿日: 2002/12/04(水) 19:51 ID:oykQt0Pk

原爆スラムは 東映の仁義なき戦いというヤクザ映画によく出てくるで、。
良かったら、見てみい。自家発電とか市民球場近くの川土手一体にバラック
小屋とかいっぱいあった。あと、はしごで二回にあがって行く家とか。
たまにウルルン何とかという番組で原住民の家に似とる家とか。よく考えたら
大爆笑なんじゃけど。知障の人が兄弟にいるとかも、多かった。
サンモールの近くとかで絡んでくるのはそこの奴らとか言うのは定説ではあった。
ファミリープールのあたりはその上流っぽい人たちが、飲食店とかお店とか 割りと
ったと思う。

21 名前: 名無しなんじゃ 投稿日: 2002/12/04(水) 20:11 ID:XMAQo0MI

原爆スラム・・・・
確か、「広島新史」(広島市編纂の市史)に写真があったと思います。


204 名前: 名無しなんじゃ 投稿日: 2003/03/08(土) 14:38 ID:7pXVr9Kc

基町グラフィティー
□原爆スラム:
 仁義なき戦い・広島死闘篇。劇中、北大路欣也がダーティーハリーなみに銃を両手で
 構える場面。そのシーンのBACKは原爆スラムそのものです。
 同じく、仁義なき戦い・頂上作戦。劇中、小倉一郎扮するチンピラは原爆スラム出身
 という設定。これも原爆スラムそのものが映し出されます。


映画の原爆スラム。

↓おなじ場所の現在。
http://www.gangitaxi.etowns.net/GIF/030_plan/3-8.jpg(雁木タクシーHP)

ネット上でも探せば写真がある。
http://www.geocities.jp/tssune/s24.htm
http://hiroshimagogo.fc2web.com/20/20-7.html

2005.10.25 Comment:0 | TrackBack:0
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