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『BECK』という月刊少年マガジンでやってる音楽漫画が話題になってるのはちらほら耳に入ってきていた。
ハロルド作石の作品は『ゴリラーマン』も『ストッパー毒島』も読んだ事ないのだけど、ここまで騒がれてると気になる。

音楽という、漫画で一番不得手な題材を選んで、音が聞こえてくるような錯覚を起こさせるってのは、こりゃすごいんじゃないかと。
そういや昔は『Toy』なんてのがあったけど、どうもスカした感じで好きになれなかった。

『BECK』は、深夜のヲタアニメをビデオに予約録画してた後番組だったんで、たまたま1話目からアニメをチラチラ見ることができた。
なんというか、こういうガチンコのサクセスストーリーにあざとさとかを感じるんだけど、そういうものを開き直ってファンタジーを提供する明確な意思みたいなものを感じたので、けっこう好きかも。

内容的には少年のベタな夢物語なんだろう。
OPアニメを見てると、原作を全く知らなくても、最後はアメリカでブレイクという図式なのはわかる。

これって、突き詰めると少年マガジンの王道の「白昼夢」をパッケージした商品のバリエーションじゃないかな。
なんのとりえもない少年が、なぜか美少女に囲まれてモテモテという路線の軟弱漫画と、読者に求められるメンタリティはさしてかわらない気がするんだけど、
やっぱ僕も差別主義者なので、ヲタ漫画は断罪して、こちらはアリです。
といいつつ、僕はオタな高校生活を送ってきたので、こういう青春にはシンパシーを感じないのだけど。

というか、物語はベタベタでも、作者の奇をてらった手法がうまいことハマってる気がして、イヤミでない感じで、ヲタからみた漫画作品として面白そう。

バンド名の由来が、BECKという名のツギハギだらけの謎の犬で、それが作品タイトルにもなってる。
遊び心としても面白いけど、なんだか「これはファンタジーですよ」という作者の宣言にも思えるし、ならばベタベタな内容をひねくれた手法で展開する作家としてはフェアだと思った。

ダイブリという伝説のバンドと親交のある、ちょっと不良っぽい”目上の”少年が、なぜか主人公の隠れた才能に惹かれてまとわりついてくるという設定も、下町の普通のオッチャンが師匠になるとこも。いかにも少年マガジンぽくてベタベタ。

しかしそこはちょっとひねってあって、
この竜介くんという目上キャラが、英語ベラベラで銃も隠し持ってる。そんでダイブリのメンバーとバンドをやっていたというあからさまにフカシ臭い彼の話が「全部本当」ってとこがミソで、そこがひねくれてて面白い。
1000のインチキの中に1の本当はありますよと。

そんで、主人公コユキは、ことごとくこの「当たりくじ」をひいていくのだ。
そう、BECKは宝くじに当選した人の話。

もう、アイドルオタクのコユキが「ミラクルボイス」の持ち主ってとこは、作者の既存漫画への皮肉混じりのパロディなのかというくらいベタベタのベタだ。
ぶっちゃけバンドメンバー募集の要項で「当方Vo。他全部募集!」というやつの切ない気持ちを代弁してやってるんだこの漫画は。

まあコユキくんはギターも弾けるようになってきたけど、ヴォーカルはカラオケ程度の技術でもなんだかできそうに思えちゃうからね(そこがすごい勘違いなのだがよくある勘違いでしょ)。
そのへんもあざといなあ。

メンバーのほとんどが、象徴的な夢(寝てみるほうの)を見てるというのもあざとい。
ジョン・レノンやフレディ・マーキュリーやらジミヘンやら、あっちにいった人たちが次々にでてくる夢。(彼らがゴミ拾いをしてるのはBECKの初の大舞台である「グレイトフルサウンド」への伏線)

この、どこかライトノベルの「前世では~」みたいな、オカルトなノリをちゃっかり頂いて、音楽漫画としてリリースしたことがえらい。

で、アニメ化に際してはちょっと気を使ったと思うんだけど、
『NaNa』って少女漫画では、あまりの人気にCDが発売されたというし、BECKのCDはどうなんだろうね。

コユキの役をやってる声優さんは子役時代から保ってる幼い声芸の浪川大輔の他にもうひとりインディーズの人なのかな? 歌専門の人がいて、メインヴォーカルの千葉くんの声にも、もう一人「歌の人」がいる。
その歌の人が「ミラクルボイス」とはあんま思えないのだが、これはけっこう作品として致命的かも。

原作のある作品なので、原作ファンは音のない漫画にたしかに音楽を”聴いて”るわけで、その音楽は読者の頭の中で果てしなく理想化されてるはずなので、ハナから無理な注文なのだ。
だからといって、諦め気味なのもどうかなあ。

オーディションでもして、連動企画にすれば良かったのにと思う。
僕はマッドハウスの制作したアニメが軒並み好きなので、他の部分がハイクオリティなだけにもったいない。

この番組は恐らく2クール(26話)なので、
今回の24話は、あと2話で終わりそうな盛り上がりをみせてた。
原作でもここがターニングポイントで第一部終了って感じらしいので、いいアニメ化だったかもね。

国内最大級の野外音楽フェスティバル、「グレイトフルサウンド」へのチケットをキャンセル待ちのようなタイミングで手に入れた我らがBECKは、バンド存続の命運を賭けたいちかばちかの大バクチに挑むことになる。

1~3まであるステージの1と2をそれぞれ人気バンドの固定ファンが数千~数万の客で埋め、ほとんど無名のBECKは500人。

ステージ前に、メンバーがケンカ別れで散りぢりになって、監禁されてステージにいけなくなったり、迷いが出て放浪したり、裏で悪者プロデューサーが暗躍してたり、あきれるほどの馬鹿らしい展開なのだが、もはや全てが許せる。
これは計算された形式美を目指したものであって、そしてその一つのバリエーションの完成形なのだ。
そこに僕は予定調和の美学を見た。

雨で機材はトラブるわ、メンバーの二人はいないわ、バンド存続の勝負をかけたステージに500人しかいないわ。

そんで、そこから予定調和のミラクルに向けての大疾走がはじまるわけですよ。
原作漫画のもつ力がベースになってはいるだろうけど、アニメの演出力の貢献もけっこうあったと思う。
エスカレーション具合が素晴らしい。

雨の中で待つ馴染みの客がくしゃみをしてるのを見て、アコギを一本持って「砕け散ってくる」とひとり出て行くコユキ。
ベースの平くんも、もうやる気ゼロ。
この時点で、不利な状況しか見当たらない負の状況。
そこから急上昇する大格差のもたらす快感。
そしてそのミラクルへの最初の一石を投じたのが、平凡だった主人公コユキの行動だったというところが、この回のミソですね。

500人全員というよりは、どちらかというと雨の中来てくれた馴染み客に向けて歌いだしたコユキに中学時代からの親友サクがドラムを合わせてくる。

次第に耳を傾け始める観客。

先ほどまで
「BECKはもうケミストリーがスパークしない」
と致命的なこと言ちゃって、ダルダルだったはずの平は、
夢見るヘソ出しルックおばちゃんの
「あんたこれを見てなにも思わないの。ステージに行きなさい」という説教に、

「わかってないな。コユキのあのテンションにいきなりついていけるわけないだろ」
と、指は弦を武者震いのようになぞって既にアイドリング状態で湯気出そう。

三人のアンサンブルで会場に活気がでたのはいいが、それが3人の限界、あと二人いなければBECKはBECK足りえない。

そこへ欠けた二人のメンバーが次々と帰ってくる。

会場へ駆けつける途中の千葉くんの回想シーンで、どうもハイロウズの歌が流れたような気がしてたら、グレイトフルサウンドのサードステージの客の中に、ヒロトとマーシーらしき人がでてきて、ヒロトっぽい人が千葉くんを勇気付けるたどたどしいセリフを披露。
クレジット見たら本物の甲本ヒロトだった。

高校時代の千葉くんがあまりにイケメンなので最初、別人かと思って意味がわからなかったが、このジェネレーション69というのは作中のハイロウズをモデルにした架空のバンドらしい。
この配役は最終回近くならではの豪華な遊びだなー。

そんで、ついに竜介が伝説の剣「ルシール」を携えて登場(笑)。

BECKのサウンドが完成することになる。
もうベタベタ中のベタの王道な展開だけど、剛速球の直球がおしっこ漏れそうなほどの球速なので考えてたり突っ込みいれてる暇はない。

それに天が(つーか作者だけどね)呼応してか、BECKは運も味方につけ、大逆転が始まる。

1stステージのベル・アームは、
Voのヨシトが率い、栄二も参加してる、今回の目玉バンド。

ヨシトはコユキの恋敵で、栄二は竜介とはかつてバンド仲間だったが方向性が違って決別した、「売れセン狙い」の苦労人。

袂を別った二人の運命的対決と恋模様。
そして「本物のロック」VSビジュアル系の「インチキロック」との対決の図式はあざとさ満点、サービスも満点。

ベル・アームをプロデュースする元人気バンド、ノワールの蘭の裏方の会話で、売れ線のバンドのぶっちゃけ話がでてくるのだが、
「ヨシトの唄ベタですねー」というスタッフに、
客の熱気でステージが一時中止になる段取りまで含めて、「所詮は予定調和の世界」の作り物だと豪語するのだが、これって、まさにBECKがやってる確信犯的な作業とかぶっていて、これのセリフ書いたときの作者があくどい笑みを浮かべてるのか、イタズラッ子の顔をしてるのか皆目検討つかないw だってそれ、まんま『BECK』やん!

ここでベタといわれてるヨシトの唄は、歌唱力をさすのだろうけど、
番組内で使われてる曲を作った人は、どんな心境なんだろーw

大きなバラのロゴを配して、「バビロン咲く花~♪」となにやらソレっぽいサビを歌うヨシト。それにあわせて一糸乱れぬ振り付けを躍る女の子達。
なんだか黒夢を思い出しちゃったんだけど、これ見たビジュアル系のバンドの人はカチンときたろうなー。もしくはいたたまれなくなってカールスモーキー石井みたいに、ソロ活動始めたりしてw

んで、この1stステージと2ndステージが雨で機材が故障し、当初同じく故障でスタートが遅れ500人しかいなかった3rdステージに客が流れ始める。

最後は「音楽のもつ力」で、ベル・アームの客を奪っていくBECK。
前半の山場みたいなので、全ての伏線を集約させた構成が見事で、熱狂をストーリーで表現しようという剛速球の力技には感心した。
残り2話が楽しみ。

アニメのBECKのHP

2005.03.19 Comment:4 | TrackBack:0
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