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監督:深作欣二 脚本:笠原和夫


シネスケ

仁義なき戦いシリーズの二作目。
1作目とこの2作目は、20歳くらいの頃に一度みてるのだけど、
さっぱり面白さがわからなかったので、
もう一度観てみようと人気の高い二作目を手に取った。

視聴してみると、一度見たはずなのに記憶にまったくない・・・ホントに観たのか?
歳を食ったからか、今度はなにやらわからんが面白いと感じた。

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しかし、実話を映画にした実録ものであるからだろうけど、
ストーリー的にはまとまりがなく散漫な印象で、そのうえ、
ただでさえ聞き取りにくい広島弁が、演者たちの熱演のせいでさらに聞き取りにくい。何言ってるかわからん。

登場人物たちの背景や所属も。いろいろな組や上層の会があり、それを把握しないことには(映画のテンポがいいのも手伝って)置いてきぼりだ。

邪道だとは思ったが、台詞とあらすじを再録しているサイトを見つつ、ストーリーの流れを確認しながら、細切れに観た。

夜刊ロロモ より「仁義なき戦い詳細」ページ

この作品の売りのひとつであるテンポが犠牲になったかもしれないが、そんなのはいずれまた見たときに楽しめばいい。
おかげで1回の視聴で状況を把握しながら最期まで映画を楽しめた。

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シリーズでもこの二作目「広島死闘編」は番外編のため、脇役でありながら主役扱いの菅原文太に見せ場を作るという無理も手伝って、全体の流れはやはり散漫。

登場人物それぞれのエゴを丁寧に描いてるので、
少し油断してると、どこそこでメンツが立たないだとかいう殺し合いが始まり、観ているほうは焦点があわせづらい。

しかし本筋はしっかりあった。
様々な登場人物のエゴや謀略やバイオレンスの描写に隠れて、主人公の出番は極端に少ないが、ロミオとジュリエットのような悲恋がメインになっている。
大筋としては、山中という男のたどる悲劇の一生の物語だ。
予科練に入ったが特攻隊世代に年齢が届かず、死に場所を失くし宙ぶらりんの戦後の中で、エネルギーのはけ口を求めてさまよう野良犬みたいな男の生涯。
そして、それに寄り添う特攻隊員の未亡人。戦後の匂いが漂ってくる設定だ。

主人公の山中正治(北大路欣也)は、山上光治という実在のヤクザをモデルにしている。
最近コミックにもなっている有名人(たぶんこの映画のせいもある)だ。

『武勇ヤクザ伝山上光治 不死身の男編』
本堂淳一郎、多田拓郎(竹書房)

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この映画の感想をネットで見ると、
主人公山中は、劇中のラストで語られるように「男の中の男」。

そして、千葉真一演じる狂犬、大友勝利(かつとし)のセリフにしびれる人も多いようだ。

僕はどちらにも共感でできずじまいで、
山中は、村岡組長に最期までいい様に利用されるばかりで、何度騙されても懲りずにまた騙される。
騙された挙句に、恩人高梨の叔父貴まで殺害してしまうわけで、こんな直情馬鹿に憧れるのは無理!

しかし、そういうアホが自分に筋通すのがひとつの正義であり、そういう価値観をクローズアップしたこういう映画世界に、そんなツッコミいれるのも野暮。
だから、三白眼で一所懸命まっすぐに前を見つめる山中のひたむきさは魅力があったといっておく。

そしてもうひとりの立役者。千葉演じる勝利だが。
勝利の吐くセリフにあまりしびれなかった僕は、オスとしての本能が弱いのだろうか?
とにかく彼のどこにも自分を重ね合わせることは不可能だったし、対して、さり気ない行動にも侠気があふれる文太兄ィはかっこいいと思った。

しかし勝利。悪党としては魅力十分。
毒々しいセリフは、そのまま毒として受け取ったが、たしかにものすごいインパクトのキャラだ。
最初から最期まで主役を食いかねないエネルギーに満ち溢れている。


川谷拓三演じるチンピラへのリンチシーンがすごい。
拉致られて凄惨な責めを受けたあとに、
無人島で木に吊るされて射撃の的になるのだ。
川谷が『県警対組織暴力』で、取調室で丸裸にされボコボコにされるあのシーンがかわいく見える。

その間、勝利は終始殺戮を心から楽しんでいる。
彼の異常性を表現し得た千葉の怪演は、のちの拳法キャラはなんだったんだと思うくらい見事。

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※以下ネタバレ注意

アマゾンドットコムのレビューでこういう謎賭けをしてる人がいた。
不屈の闘志とひたむきさで、破門や投獄の淵から不死鳥のように何度も蘇る不屈の山中が、なぜ自殺したのか。

山中のモデルになった実在の山上光治という伝説のヤクザが、どういう人生をたどって、どういう終焉を迎えたか知らないが、映画に関しての僕の答えはこう。

まず山中は、特攻隊志願の願望をみても、元々が死に急いでいる人間であるように思える。
生き方は死に方と同義だという死生観を根底に持っている様子。
勝利も山中も、監督の分身であるかのようにエネルギッシュだが、
山中は、勝利のように表象の「生」には興味がない、間逆のエネルギーをもった人間。

山中と勝利の、二つの相対する極端な価値観をもつ人間の戦いが、この映画をエンタメとして成立させているのならば、
冒頭でボコられるのも必然、ラストで決着が着くのも必然。

つまり、ラストの主人公の自殺は。
ふたりの因縁の決着だったのではないだろうか。

山中に負傷させられ勝利は、ラスト20分を残して逮捕されてしまい。
物語を引っ張ってきた大友組と村岡組の抗争は決着してしまう。

しかし物語はまだ続き、山中は警察の包囲網に追い詰められる。
抜け出すのは不可能。
山中はしきりに獄中での惨めな生活に対しての弱音ともとれる愚痴を吐いていた。自首はありえない。

一方、山中が命を獲り損ねた勝利は生き延び、
「皆殺しにしてやる」といった若かりし頃の山中のあの復讐宣言は、途中で挫折してしまったかに見えるが、たぶん違う。

山中はドツボにハマって最悪の結末を迎えたが、
同じくヘタをうった勝利は、山中に足を撃たれて20年は獄につながれる。
その間に、ケジメを取るべき相手の山中はあの世にトンズラしてるのだ。
これではヤクザの命に等しいメンツも丸つぶれ。

そして勝利(かつとし)の名セリフとされるあの発言が、皮肉な形で思い出される。

「わしら、うまいもの食うてよ。マブいスケ抱くために生まれてきとるんじゃないの」

とまで豪語していた勝利にとって、
無期懲役というのは、彼の敷いた人生観において決定的敗北以外のなにものでもない。
その勇ましい名前にふさわしくないドツボにハメられたのだ。

ろくな死に方しないのは極道なんだから当たり前だとして。
このふたりの間の勝負に限って言えば、山中は勝ち逃げしたんだと思う。
そして、エンタメ映画は最期に悪党がやっつけられなければならないのだ。

仁侠映画からの脱皮を図ったことで有名なこのシリーズだけど、
結局は仁義と外道の戦いを描写し、そして仁義が勝つという任侠映画の法則にのっとっている。

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 (おまけ)原爆スラムについて

ところでこの映画。戦後間もない頃の闇市や繁華街の描写や、原爆スラムも風情があって見所だった。
この原爆スラム、たぶんロケだよね?
スラムクリアランスとやらでなくなってしまったようだが、
昭和48年にはまだあったのだろうね。
調べたら昭和49年に着工だそうで、この映画はギリギリだったわけだ。

しつこく検索してたら2chの投稿でこんなのみつけた。
やっぱロケのようだ。

昔の広島市内を懐かしもう・・・http://chugoku.machibbs.net/kako/2003/1035006144.html

20 名前: ....... 投稿日: 2002/12/04(水) 19:51 ID:oykQt0Pk

原爆スラムは 東映の仁義なき戦いというヤクザ映画によく出てくるで、。
良かったら、見てみい。自家発電とか市民球場近くの川土手一体にバラック
小屋とかいっぱいあった。あと、はしごで二回にあがって行く家とか。
たまにウルルン何とかという番組で原住民の家に似とる家とか。よく考えたら
大爆笑なんじゃけど。知障の人が兄弟にいるとかも、多かった。
サンモールの近くとかで絡んでくるのはそこの奴らとか言うのは定説ではあった。
ファミリープールのあたりはその上流っぽい人たちが、飲食店とかお店とか 割りと
ったと思う。

21 名前: 名無しなんじゃ 投稿日: 2002/12/04(水) 20:11 ID:XMAQo0MI

原爆スラム・・・・
確か、「広島新史」(広島市編纂の市史)に写真があったと思います。


204 名前: 名無しなんじゃ 投稿日: 2003/03/08(土) 14:38 ID:7pXVr9Kc

基町グラフィティー
□原爆スラム:
 仁義なき戦い・広島死闘篇。劇中、北大路欣也がダーティーハリーなみに銃を両手で
 構える場面。そのシーンのBACKは原爆スラムそのものです。
 同じく、仁義なき戦い・頂上作戦。劇中、小倉一郎扮するチンピラは原爆スラム出身
 という設定。これも原爆スラムそのものが映し出されます。


映画の原爆スラム。

↓おなじ場所の現在。
http://www.gangitaxi.etowns.net/GIF/030_plan/3-8.jpg(雁木タクシーHP)

ネット上でも探せば写真がある。
http://www.geocities.jp/tssune/s24.htm
http://hiroshimagogo.fc2web.com/20/20-7.html

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2005.10.25 Comment:0 | TrackBack:0
もう何年も前になるけど、
たまたま立ち読みした少年マガジンで、鷹村vsホーク戦をやっていて、
僕は漫画やアニメは、第一話から順にストーリーを追うと決めているのだけど、ホーク戦があまりに華のある展開だったので、禁を破ってそこだけ毎週立ち読みして結末まで読んでしまい、ついでに猫田と会長の青春を描いたシリーズまで読んでしまった。

ベストセラーなだけあってたいへん面白い漫画だということはわかったのだけど、
あの時点で『はじめの一歩』という作品はあまりに巻数が多くて尻込みして読まずにきてしまった。

その後、『一歩』は深夜アニメになって、これがとても出気が良かったので全部見た。そしてこれでかなりのストーリーはわかった。

しかしアニメは一歩vs千堂の日本タイトルマッチのところで終了して、TVスペシャルの真田戦。OVAの間柴vs木村までは映像化したものの。
そこでアニメの製作は終わってしまったようだ。(残念、続編を熱望)

読まないでほっとくわけにはいかない作品なので、鷹村vsホーク戦までの間の空白を埋めるべく、いま読んでる。

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高校生だった頃、僕は森川ジョージの連載デビュー作の『シグナルブルー』をマガジン紙上で読んでいた。
当時は『バリバリ伝説』の亜流にしか見えなくて地味な新人という記憶しかなかった人が、とんでもない大作家になったなあという印象。

実は『一歩』の最初の数話もマガジンで読んでたんだけど、『シグナルブルー』の次回作という印象が強かったので、まさかここまで大作の感動巨編になるとは思いもしなかった。

読んでみると。
絵もストーリーも、巻を進めるたびに進化しているのがわかる。

ホーク戦が息を呑むほど面白かったのも当然だ。
今読んでいる、オッサンvsリカルド・マルチネスやゲロ道戦のあたりの名勝負の、さらに進化した形態だったのだから。

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すごいのは、これだけ連載していて、だれることが一切なく、いつもホットな内容で、漫画自体が成長を続けていて、それはイコール。作者自身が一切だれてないで常に戦闘状態だろうこと。

作者的には最終回のつもりで描いたという、二度目の一歩vs千堂戦は、(こういう言い方をするのもヘンだけど)最近の『一歩』に比べると明らかにつまらない。
最初の千堂戦なんかもっとつまらない。
いや決してつまらなくはないのだけど、その後の『一歩』がとんでもなく面白いだけなのだ。

普通これだけ連載続くとテンション下がるでしょ。
北斗の拳だって、ワンピースだってそうだった。
テンション的には似ている(と僕が思ってる)ボクシング漫画の名作『がんばれ元気』だって、28巻で最終回に着地した。
一歩はホーク戦でもう40巻だよ。

もうボクシングでいったら森川ジョージは世界チャンピオンだ。
いや、比較するならこの人がやってることって、作中のチャンピオンロードを歩み続けるリカルド・マルチネスよりもすごい。常に青コーナーの挑戦者側だから。
その姿は主人公の一歩とかぶる。

なんか、いつもバス釣りとか峠攻めとか、自分がオーナーしてるジムのセコンドとかして遊んでるようにしかみえないけど、謙虚で努力家で才気あふれ、いつも挑戦者の姿勢で勝ち進む一歩のキャラをそのまま体現してるのが森川ジョージなのかも。

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面白い漫画は星の数ほどあるけど、作品を読んでおもわず感化されて奮い立つ作品ってのは少ない。
作者の姿勢が、漫画の中にまであふれ出てるような熱気を持つ作品。
『鉄鍋のジャン』をやってた頃の西条真二とか。

一歩は、ボクシングという特殊で極限の世界をリアルに丁寧に描くことでしか達し得ない領域の精神論を、上手く表現できてる気がする。
単なるエンタメの枠を超えて、やたら重いものまで渡される。

ほんとのところは、ボクシングやったことがないので想像でしかわかりようがないけど。それは森川ジョージも同じだしね。
格闘技にはミーハーな興味しかない僕でも、ボクシングだけは別物だということだけは理解できるし、『一歩』ではそれが描けている。
ボクシングは崇高なものなんだというメッセージがヒシヒシつたわってくる。

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漫画のほうはようやく板垣君も登場し、ホークと鷹村の対戦が決まったところまで読み進めたけど、ここまでで印象深かったのは伊達英二とリカルドの戦い。

以下ネタバレあり


伊達が試合の中で「自分を取り戻す」というテーマ。
なんという題材を選んでくるのだろう。
ボクシングジムまで持ってしまう人だからこそ現場のいろいろな生きたドラマを肌で知ってるし。
彼が駆け抜けてきた漫画の世界でもそれは通じる話なんだろう。深すぎて眩暈がする。

最後、伊達は自分を取り戻して妻子の元に帰ってくるのだけど、これは『がんばれ元気』の最終回にも通じる感慨深い結末。
「元気が帰ってくる・・・」というあのラストに匹敵するエピソードだと思う。

伊達の
「キサマの魂を俺にくれ・・・!」
という見開きには、不意をつかれ、画面の勇ましさと反対に、思わず泣きそうになってしまった。

伊達が渾身のハートブレイクショットを打つために、試合のシナリオを描いて溜めに溜めて伏線張ってるのと同時に、作者のシナリオもここで読者に一撃を与えようと溜めに溜めてきた会心のショットを放ってるように思える。
やはり、作中のボクサーと作者は、ここでも二重露出のようにかぶる。

そして、このエピソードでは
『グラップラー刃牙』でいう勇次郎ともいえる最終標的が明かされるという意味でも非常に大事な話だったし、伊達が単なるかませ犬でなく、主役であり続けたってのもすごい。めちゃくちゃうまい。

ていうか、ここまで、一歩へのバトンタッチを予想してなかった。
マルチネスの歳を考えると、これは『がんばれ元気』の関拳児みたいな位置付けになるので、まさかそれはやらんだろうと思ってたのだけど。やるのね。

マルチネスの強さが半端ない描かれ方をしてたのもすごかった。
リアルな描写を積み重ねてはいるけど、俯瞰で全体を見ると、やってることはサイヤ人がピッコロをなぶり殺しにしてるのとたいして変わらない、そのくらい恐ろしい場面の連続だった。
いまのところこれがベストエピソードかな。ベストバウトはホーク戦だけど。

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『がんばれ元気』の連載時、ラストバウトの関拳児と元気の世界タイトルマッチの模様は、まるで本当の世界戦かのように読者が話題にしてたという。

ホーク戦をマガジン誌上で読んだとき、そういう熱気を感じた。
あれはリアルタイムで誌面を追いかけてないと味わえないものだ。
いまの連載に追いつくように頑張って読もう。
一歩の最終戦(世界タイトルマッチのはず)は絶対にコミックスで読んではならない・・・!

2005.10.17 Comment:0 | TrackBack:0
脚本:高久進 演出:山吉康夫 作画監督:若林哲弘

今回、かなり見所の多い回でした。
そしてあしゅらファンには、垂涎の回といえます。

まず作画がハイレベル。
それも、あしゅら男爵の顔だけにすごい画力が集中してます。

男顔と女顔の違いがよくわかる優良作画



りりしいあしゅら様


戦闘中のあしゅら様



満足げなあしゅら様


ものうげなあしゅら様



うつむくあしゅら様


当時としては異様なほど、しっかりしたタッチで描かれた美麗な絵だと思います。
この前回の25話の作画(作監:森下圭介)がひどいものだっただけに、今回のあしゅらの顔のよさは目立ちます。
他の部分はそうでもないので、作監の若林哲弘というよりは、あしゅら男爵専門の原画マンが入っていたのだろうか・・・?
原画には作監のほかに須田勝と藤城儀一の二名がクレジットされてますね。
この中の誰かが犯人です。(スタッフリストを照合していけばいずれわかるでしょう)

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さて今回、ついにあしゅら男爵が、機械獣に乗って出撃です。
ついにあしゅらにスポットが当たる日がやってきました。
これがあしゅらの乗るダイマーU5。



ドクター・ヘル
「マジンガーZの強さは、兜甲児が操縦するところにあると俺はみた!」
「そこで俺はこの機械獣ダイマーU5を完成させたのじゃ」


たしかドクター・ヘルの一人称は「わし」だったと思ったのですが、今回はなぜか「俺」といってますね。
べつにいいんですけど。語尾が「~じゃ」なもんですから、
これでは無理して若作りしているおじいちゃんみたいです。

あしゅら男爵
「おっしゃるとおりでございます。ところでこのダイマーU5をいったい誰が操縦を」 


「お前じゃよあしゅら男爵」 
ドーン! 



 「ええっ・・!?」 

期待通りのリアクション芸は、もはやダチョウ倶楽部並。
しかし、いい顔するなあ、あしゅら。

ダイマーU5に乗り込み、光子力研究所を襲撃するあしゅら男爵。
研究所ではバリヤーを張ってこれを防ごうとします。

当時の小学生の流行語ともなった、「バリヤー!」は、研究所がマッハ機械獣ジンライの攻撃を受けたときにも登場してますが、このときはまだ電力の網が交差したような単純なイメージ。

今回からますますバリヤーが物質化した印象。
のちまで定着する、この鉱石的なビジュアルがすごいと思います。
『スタートレック』などの艦船が目に見えない防御スクリーンを展開するのと違って、(子供が見る番組なので理解しやすいようにしたのでしょうけど)物質でないバリヤーというものを、視覚的に擬似物質として表現したのが画期的だと思います。
『帰ってきたウルトラマン』にでてきたプリズ魔を髣髴とさせるシュールなデザインワークですね。

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その頃兜甲児と弟シローは、鶏小屋を襲う野良犬に悩まされていました。
ドロボー犬をバイクで追いかけていくとその先には・・・


すごいの出てきちゃったよ。

これは・・・この前年まで放送していた同じ東映作品の『アパッチ野球軍』に混じってても違和感ありません。

飼い主に捨てられ、子犬を育てている野良犬の境遇に共感したこの男、ボスたちをあっという間に片付けてしまい、兜甲児と対決します。

 「俺は兜甲児」
「西条だ。来い!」
 

やあやあ我こそはと、名乗りを上げてから戦いを始めるのは、まさにサムライです。

この戦いは、ダイマーU5の出現でいったんお預けになるのですが、マジンガーとダイマーU5の戦いのとばっちりで、野良犬は死んでしまいます。

この状況に目をつけたあしゅら男爵の計略によって、兜甲児は子犬殺しの汚名を着せられます。
そして、母犬の死に罪の意識を感じた兜は、言い訳もせずに西条の気の済むまでと殴られるのでした。
こういうところが、甲児くんカッコイイですね。

なぜかこのときのダメージで目が見えなくなってしまう兜甲児。
「たとえ見えなくても俺は行く。マジンガーZが俺を待っているんだ」
無謀と紙一重の勇敢さで出撃する甲児くん。

その姿が西条に感銘を与えたのか。
甲児の目の代わりとなった西条の導きで、あしゅらの乗る機械獣を倒すことができます。

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さて、反省会です。

「それにしても兜甲児は強い・・・奴はサムライじゃ」

この目を細めるあしゅらの演技がいいですね。




「沈着、冷静、いついかなる場合にも己を失わず、そして正義のためには潔く死ぬことのできる男のことじゃ。兜甲児は我々にとって恐るべき奴じゃ。そのことをよく肝に銘じよあしゅら男爵」


ドクター・ヘルの足元にひざまずくあしゅら男爵。
絵になります


「沈着冷静」というのは、「無謀」の別の言い方なのかと耳を疑ってしまいましたがw
高久進の”まとめ台詞”は有無を言わせぬ強引な説得力(?)があります。
高久先生が「冷静沈着」といったら、それは冷静沈着なんです。

あげ足とりはともかく。
兜甲児という人間が、自分に甘えを許さない、責任感の強い人であり。
勇敢で、逆境でも決して引かず臆さず。
己の信念にいつでも殉じる覚悟をもった「サムライ」だということは今回のエピソードでかなり印象付けられました。

今回、あしゅらファンにとっては、あしゅら様が機械獣に乗り、超美麗画で活躍してくれてニコニコしてしまうエピソードでしたが、それは番組視聴の本来の趣旨からズレまくってるので、
主人公兜甲児のキャラクターを描くという意味で、とても良い回だったと。
そういえるのではないでしょうか。

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それにしても西条というキャラは、あまりに面白すぎて、今回だけの登場というのがもったいない。
マジンガーZには、ボスというギャグメーカーはいても、クールでニヒルな二枚目キャラが存在しないので、
西条がレギュラーになれば、今後の展開にもからめて、かなり使えるキャラだと思うんだけど、この回だけなのが惜しい。
2005.10.14 Comment:2 | TrackBack:0
脚本:藤川桂介 演出:西沢信孝 作画監督:中村一夫


ついに、マジンガーに空からの脅威が迫ります。
第19話のデビラーX。この回のジンライS1に続き、
エアロス三兄弟。ホーガスD5。バラスKなど。
空を飛ぶ強敵が次々と登場します。

これは明らかに「ジェットスクランダー登場」の前段階の踏み固め作業で。
ここを2~3話でまとめずに、(スクランダーお披露目の映画公開時期に向けて)長期間にわたってじっくりとやっている構成はすごいと思います。

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ところでちょっと話はそれますが。

’90年代中ごろに一世を風靡したTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』では、謎の敵”使徒”が、第3東京市ネルフの奥底に眠るアダムを狙って毎回毎回やってきますが、この一種ぞっとするようでエキセントリックな要素は、
マジンガー世代である庵野秀明にとっては、子供時代の面白かったものを自らの手で再現するという意味もあったのでしょう。

使徒のシュールなデザインは庵野秀明が大好きなウルトラマンの怪獣たち影響も受けてるはずですが、この一点に向かって進行してくる異形の怪物というシチュエーションは、マジンガーZのおどろおどろしい怪奇な魅力のひとつであって、エヴァがやっていたのはそのオマージュに他なりません。

エヴァは使徒の攻撃バリエーションの奇想天外なまでの多彩さが、面白ろさにかなり貢献していましたが、このジンライという機械獣も、過去の機械獣との差別化という意味では異彩を放っています。

超音速(少なくともマッハ5以上)で飛行する機械獣という、とんでもない設定が演出上でもよく表現されていて、高速撮影フィルムにしか写らない敵に、マジンガーZが最初から最後まで翻弄される姿は、これまで20数話かけて無敵のイメージを積み重ねてきたマジンガーだけに衝撃的なものがあります。

エヴァでやっていた黄金パターンは以下のようなもの。
こんな敵どうやって倒せんるんだ→冷静な状況判断で敵の特徴を把握したミサトがあっと驚くような起死回生の作戦を提案→決死の攻防戦→からくも勝利
というエンターテインメント要素を煮詰めたような作劇パターン

このパターンが、このジンライの回ではすでに完成しています。
ジンライのわずかの弱点の分析も、リアルな描写がされていました。
富士山麓のパノラマを背景にジンライとマジンガーが正面から激突するこのシーンなどは、
エヴァ零号機と使徒の対決シーンを思い起こさずにはいられないレイアウト。
ここはかなりカッコイイです。

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この異例の敵の出現に関してもうひとつ。
わずかなチャンスをものにした兜甲児の機転や勇気というものも説得力をもって描かれていたことも注目です。

マジンガーは力の化身でありながら、力さえあれば強いのかというアンチテーゼを常にはらんだ存在。操縦者が神にも悪魔にもなれる魔神。

そのパイロットが兜甲児であるからこそ、ドクター・ヘルの進行をここまで妨げているのだという、スタッフの目論見がよく表現できていたと思います。

マジンガーに乗れば誰でもヒーローになれるのなら、主人公が兜甲児である必要もないわけで、その作劇上での危険性にはスタッフも充分気づいていたからこその、こういうエピソードなのでしょう。

このことは、のちの第26話、「激突!サムライ甲児 対 あしゅら機械獣」で、かなり明確に打ち出しています。

今回は、”逆境”という一石で、「ジェットスクランダー」と「パイロット兜甲児」。
このふたつの必然性を語る効果を生み出しているところが、非常にうまいなと思うのです。
2005.10.09 Comment:0 | TrackBack:0
脚本:藤川桂介 演出:久岡敬史 作画監督:菊池貞雄

マジンガーは、チョーシに乗って船舶を破壊し続ける海底要塞サルードに攻撃を仕掛けます。
水中で使える武器がないマジンガーですが、マジンパワーで敢然と特攻し、ついにはサルードのドック内部にまで攻め込みます。

そのときの衝撃音と揺れに驚いたあしゅら

「どうしたの?」

と、めずらしく女声だけで喋ります。

普段、となりの(?)オッサンのシブイ声(柴田秀勝)に押され気味ですが、単独で聞くとかなり色っぽい声です。(声:北浜晴子)


サルードのドックを内部から破壊されてしまったあしゅら男爵。
逃げ帰ったあしゅらに対し、またいつもの怒号が待っているかと思えば、ドクター・ヘルは、もういい加減叱るのに疲れたご様子。


「ええい、お前のいい訳なんかききたくないわ!」
「わしゃもうサルードの修理にかかっておる」

愚痴ってる時間があったら、目の前のやらねばならぬことを片付けたほうが建設的。
ドクター・ヘル自ら修理をするという現場主義の一面がみれます。

ぬぅ~いまにみておれマジンガーZめ

ドクター・ヘルの声もちょっと裏返って、ほんとにお疲れのようです。
上司としてトップとして、部下のあしゅら男爵の尻拭いはきちんとしてたんですね。

バランガM2の水中電撃攻撃に苦戦するマジンガーZですが、
海中で使える光子力ビームの開発が失敗に終わったのが戦闘に影響し、
サルード追撃を諦めることによって、海上で機械獣に勝利します。
まあお話としてはそれだけです。

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それより作画が面白いですね。
海で光子力ビームが使えるようになったという報告を聞いて、廊下を走る甲児くん。
途中で、面白い顔の人と、メガネの女史とぶつかります。



メガネが取れると、けっこう美人。
雑にみえてけっこうしっかりした作画。
かなりうまい原画マンだと思います。この絵好きですね。
地味な萌えポイントでした。

当時の東映の魔法少女ものが安定した作画で、こんなタッチだった気がする。

一応後学のために、4人クレジットされてる原画マンの名前をメモっておこう。
小池克也 阿部隆 森英樹 小田部玲子
作画監督は菊池貞雄


1話の中でも作画の幅がけっこうあって、一人のキャラがカットによっては同じ人物に見えないことも。
作画監督の存在がどうでもよくなる気が・・・
たとえば、さやかさんの顔も同じ話の中でこんなに違います。



今年、20年の沈黙を破って『機動戦士Zガンダム』が映画化されましたが、
新旧作画が混在した違和感バリバリの画面が衝撃的で話題を呼びました。
マジンガー、またも富野由悠季を出し抜きました。

さて、せっかくだから、このままガンダム話で落としましょうかね。






今回、大ボスのサルード。中ボスの機械獣バランガM2。その前哨戦のバランガM1の大群と、敵メカの層の厚さが特徴的でした。

いつも馬鹿の一つ覚えみたいに単独で直行してくるのとはうってかわって、敵側のリアルな戦略のようなものが感じ取れます。

量産型でカーキー色のバランガM1に対して、高性能で単独、そして赤色のバランガM2。そしてこのトゲトゲ。
ザクの原型だといってもうっかり通ってしまいそうな符合ですねw
2005.10.07 Comment:0 | TrackBack:0
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