上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.--

21・22・23話
今回のウルトラマンの特徴はいくつかあるが、
その中でも主人公をウルトラマンでなく、隊員に設定したことに付属してもうひとつ大事な点が。

地球防衛軍に相当するTLTは強い。
ウルトラマンとTLTの戦力は同等なのではと思えるくらい、対ビースト戦においてTLTの担う役割は大きい。
昭和の旧ウルトラマンシリーズでは、科学特捜隊からの伝統で、「防衛軍」は怪獣に破壊されるためのかませ犬として「脱出!」するために存在するような頼りない組織。
ウルトラマンの強さを強調するためのダシでしかなかったわけだ。

TLTはもともと単独でビーストをかろうじて殲滅する程度には強かった。
それが溝呂木の登場でビーストは強さを増した。
そこそこ強いウルトラマンネクサスが補佐してかろうじて勝利を収める程度に、「ビースト&溝呂木」VS「ネクサス&TLT」の戦力は拮抗している。
このバランスが緊張感があって心地よい。
孤門と姫矢が共闘して、ひとつの大事を成し遂げるという構成にも一役買っている。

21話では、姫矢はTLTに捕まって観測実験されてしまう。
心臓が止まるあたりは大ヒットしたアメリカの連続ドラマ「24」の影響ちゃうんかと思ったけど、それは置いておいて、
姫矢を解析した結果、TLTはネクサスの光線と同等の破壊力をもつウルティメイト・バニッシャーを開発する。
もともとが強い上に、さらにはウルトラマンの必殺光線と同等の力を所有してしまう組織というのは前例がないのでは。

24話「英雄-ヒーロー-」
この設定が、姫矢編クライマックスの24話でも十二分に生かされている点がいい。
ネクサスの手を一切借りず、ウルティメイト・バニッシャーでビーストを殲滅するTLT。
しかし溝呂木の変身したダークメフイストはあまりに強い。

そこで、破壊光線であるウルティメイト・バニッシャーを、光を失ったウルトラマンのエネルギーに転用する展開にもっていくのだが、脚本がうまい。
イラストレーターのキャラも立ちまくりだ。

エナジーコア(カラーライマー)を寸分も外さずに撃たねばならないという過酷な状況が、姫矢と孤門の紡いできた信頼関係の最終段階に位置する試練だというのも、伏線の消化としては綺麗だ。
さらには、この展開は、「光は絆だ」というキーワードにも合致している。
ウルティメイト・バニッシャーはウルトラマンの光の力を科学的に解明したものなので、
光の力ネクサスに、人間の科学力で間接的に関わってきたTLTの関係の縮図がここにも入れ子の構図になっている。

孤門はウルトラマンではないが、ウルティメイト・バニッシャーを通じて光の絆に触れている重要な人物なのだ。
光の力をネクサスに与えるという試練を乗り越える姿は、主人公として堂々たるクライマックスを迎えたと思う。

*****************

もうひとつの伏線の消化。
姫矢の救済という部分に関しては、やや雑な印象なのが残念。

姫矢がネクサスとして戦ってきたのは、試練を乗り越えるという前向きな意思だと思っていたが、ここにきて明かされた姫矢の内心は逆だった。

戦地で背負ったトラウマが罪悪感となっての自罰的行為だったのだ。
自分を罰することで贖罪しようという、死へ向かう救済願望が彼を瀕死になるまでの過酷な戦いに駆り立てていた。
いわれてみれば、これまで描かれてきた姫矢像と合致する。

かつて根来に「そんなにまでしてお前はなにと戦ってるんだ」と問われた姫矢は「俺が戦っているものは宿命です」と答えたが、
自罰の念を吐露する姫矢の姿には、決してなにかと「戦っている」人間のもつ覇気はない。
姫矢のネクサスとしての戦闘は、本質的には「戦い」ではなく無機質な機械的行為だったということだ。

これはヒーロー像としてはかなり情けないというか、
悩むだけ悩みました、ボクはがんばったので殺してください、あとはよろしく。
というような投げやりな態度がヒーローとして相応しいかというと疑問。
副題は「英雄」なのだから、ここでいう英雄はやはり主人公孤門であるといえる。

姫矢は最初から最後まで、主人公に関わって救済しあった同胞の位置でしかない。
しかも最後は戦場で見殺しにした少女の霊魂に助けられている。
孤門を補佐し助けてきたヒーロー的実績はあるが、
今彼が内心を語った後、振り返ってみると、
姫矢は孤門を助けているようで、自分を映し見た孤門を救済することにより、むしろ自分が孤門に助けられている。

なんだか、助けられっぱなしのウルトラマンであった。
それが今回打ち出した異色ファクターなので、これは成功してるといえるのかな。

ただ、やっぱり霊魂のひとことで簡単に助けられちゃう展開は雑な感が否めない。

*****************

CGがかなり頑張っていたので、姫矢編の終わりに相応しい出来となった。
TLTとネクサスとダークメフィストが三者入り乱れての空中戦は、TLTの異例の存在感もあってかなり興奮できる。
CGにおいても板野サーカスは健在で、ミサイルの乱舞はもちろん。
ネクサスが空中から反転するシーンなども、非常にアニメチックなセンスを反映したテンポのいいアクションになっていた。

ここまでいろいろ不満な部分も多かったネクサスだが。
今回、演出的にも文句のつけようがなく、脚本の好調、力の入った特撮やCGもあいまって、
姫矢編の有終の美を飾ったといえるとは思う。
Tags: 

スポンサーサイト
2005.05.18 Comment:0 | TrackBack:2

17・18話
凪と溝呂木の過去の関係や。
溝呂木がなぜダークメフィストに変身するようになったかの秘密が明かされる。
(以下ゆるいネタバレあり)


一年前の惨劇の中で溝呂木は殺戮の楽しさに目覚めていった。
姫矢が光のパワーに選ばれたのと同じく、そこをダークメフィストに魅入られたわけだ。

人間の極端な二面性を具体化したような二人のキャラ。
人間のもつ光と闇。聖と邪の代理戦争をやらせたいらしい。
なんだか安直なテーマだが、まあ王道といえる筋道には安定感もある。

サイコな悪党ひとりに罪を押し付けて安心するのではなく。
悪も善も人間が内包してるもので、悪とは原罪なのだというとこまできちっと描けば、オーソドクスながら評価できるものが仕上がるんじゃないかとは思う。


ダークメフィストの身長が、ファウストが現れたときと同じく、
3メートルほどの微妙な大きさで、これがやたら怖い。
CG技術が発達して、違和感のない合成ができるようになったのでこんな芸当も可能になったのだろうね。
溝呂木の顔をぐわっと覗き込んでくるシーンが演出的にかっこよかった。

*****************

19・20話
「人生の目的」が今回のテーマ。
姫矢に憧れるカメラマンが姫矢のような写真を撮ろうとしてビーストに食われてしまうのだが、それをよしとする脚本が気に入らない。

アイドルの写真ばかりを撮る仕事にうんざりしていた男が、
伝説の戦場カメラマンとして有名だった姫矢に出合って、俺のやりたかった仕事はこれだ!
と発奮し、政府がひた隠しにするビーストとTLTの戦闘場面を激写。
あっけなくビーストに食われてしまう。

このあと彼の撮った写真はフリージャーナリスト根来の手によって、世間の目に晒される。
恐らく脚本的には、「死んでも、なにごとかを成し遂げたことに人生の意義があった」ということをいいたいのだろう。

*****************

昨年の5月。
フリージャーナリストの橋田信介さんがバグダッドで武装集団に襲撃され亡くなった。
彼は、その一ヶ月前。テレ朝の『朝まで生テレビ』に出演したとき、誰も自衛隊の駐屯地に行って彼らの現実を取材しないと、新聞社をはじめとするジャーナリズムの不甲斐なさを叱責していた。

その一ヵ月後の『朝まで生テレビ』放送直前に橋田さんは、前言の通り自衛隊を取材しにいって、殺害されてしまった。
ほとんど前回と同じメンツだったパネリストの面々は、橋田さんが身を持って示したバグダッドの現実感に動揺せざるをえなかった。

戦場ジャーナリストが、戦場で死ぬのは本望といえる。
橋田さんは、素晴らしい生き方をして、自分が人生に設定した仕事をまっとうしたといえるだろう。
どこで死ぬかわからないのが戦場カメラマン。
どこで死んでもそれは想定内の終わりなのだ。

しかし当然だけど、むやみに命を散らしてもいいというわけではない。
死なないに越したことはないんだし。
有意義な死の中にも、さらに「有意義な死」と「犬死に」は細分化できるのではないか。

そのだいぶ後、同じ朝生だったと思うけど、懇意にしていたコラムニストの勝谷氏だったか、(いや違うかもしれない)
「橋田さんの人生は称えられるべきだが、きちっと「ミスはミスだ」と指摘すべき」それが橋田さんに対しての礼儀だ」と語った人がいた。

ほんとにそう思う。
その彼によると、橋田さんは直観でバグダッド行きのそのルートは安全だと、神がかりなインスピレーションをもとに行動してしまった部分があって、そのために若い助手の小川功太郎さんまで巻き添えにしてしまったというのだ。

戦場でミスはあって当然。ミスをするなといったら誰も報道なんかできないと、橋田さんが生前出演したときの田原総一郎が言った。
それも道理。
しかしミスを指摘してこその道理だ。
ミスひとつが、文字通り命取りになる現場ならなおさらのこと。

今回のネクサスが扱ったのは、本来ならそういった重いテーマのはず。
「命を懸けてでも真実を伝えるジャーナリズム」というテーマを扱うのなら、
こんなハンパな形ではなく、きっちりそこまでテーマ性をつきつめたものを作って欲しかった。
どうせ子供番組という体裁は無視してるんだし。

番組の中で死んだカメラマンは猪突猛進に「自分探し」をした末、
仲間の制止を振り切ってシャッターを切り続け、ビーストに食われてしまった。
見たときの素直な感想だけど。ギャグにしか見えなかった。
(実際ふきだしそうになった)
これは、そういった噴飯もののフィルムが出来上がることを想定できなかった脚本家のミスだと思う。

僕はこの脚本家の実力をかなり認めているので、ミスを指摘するのが礼儀だ。

2005.05.17 Comment:0 | TrackBack:0
監督 市村泰一  脚本 加藤泰  原作 司馬遼太郎

シネスケ

僕は司馬遼太郎の『燃えよ剣』は読んだことがないので、なんとも言いがたいのだけど、
恐らくこれは脚色が過ぎた作品なんじゃないかなあ。

司馬の燃えよ剣はファンが非常に多い作品だし、この本で土方に惚れたという人を量産してるわけでしょ。
この映画の土方にはなんの魅力も感じないもの。


新選組を題材にした映画の宿命として、
二時間弱で複雑な新選組の結成から粛清。組織の地盤固めの過程を駆け抜けて、
クライマックスに池田屋事件をもってこなきゃいけない。

これだけガチガチの制約の中で、一本の娯楽作に仕上げなきゃいけない苦労はわかるし、
そのために投入したのが「出会ってはいけない男女の悲哀」という構図だったというのもわかる。
まとめた手腕はたいしたものだ。

しかし、この全編を通した「男と女のすれ違い」が、まことに男にとって都合よく描かれている気色の悪いものなので、一歩引いてしまってどうも入り込めない。
フィルムの奥底の深いところまで根付き、見るものに呼びかけてくるこの得体の知れないメッセージはいったいどこから来たものなのか。

*****************

男は妻子があっては大仕事を成し遂げられんとかいうのも、もしかしたら原作にあるセリフかもしれない。
だけど同じセリフをいってもキャラの描かれ方によってだいぶ重みが違うはずで、この土方がいう「男とは」というのはなぜか軽い。

たぶんこれは、映画に込められた前時代的な家制度に根付いた男尊女卑の思想が色濃く出てしまってるからだという気がするのだ。

もちろん封建社会の末期に封建社会の権化となろうとした新選組を描くのだから、男尊女卑の思想が漏れ出ても不思議はないのだけど、この奇妙な「男尊」はそんな時代がかった風格は感じさせない。
なんというか、腰の刀をなくした男の遠吠えというか。
いや、さらには大正、昭和の男観とも違うものだこれは。

敗戦からこっち。アメリカから与えられた新しい自由主義社会の気風の中で、女性が権利をもち社会に進出してきて、
漫画サザエさんでもサラリーマンが、会社で、家で、女傑の尻にしかれるような描写が風刺を込めて描かれた。
そんな時代に作られたこの映画は、
家畜として飼いならされた男どもが、かろうじてすがっていた前時代の男優位の幻想を具現化したものではないのか。

そして映画を通じて、その精神的シンボルにしがみついてる男どもの浅ましい姿をどうしても連想せずにはいられない。

この映画が作られた時代の観客が、映画館という日常を離れた空間の中で、木戸銭を払ってまで期待したのは、いっときのナルシズムの補填。
映画から感じる「みみっちさ」はそういった観客も巻き込んだイメージとして膨れ上がってしまうのだ。

牙をとっくに無くしてしまった男衆の煮詰まったコンプレックスを反映したかのような、この涙ぐましいまでのナルシズムは、女はもとより、現代の男の目ではとても見ていられないような気恥ずかしさがある。

*****************

先日ポール牧が飛び降り自殺で亡くなったが、
その原因はともかく、生前の人物像をみると、この映画で描かれた土方像と通ずるものを感じる。

「芸のためなら女も泣かす」というあれだ。
ポール牧は「家庭を大事にしてたら芸人は馬鹿ができない」と豪語してたそうだが、これこそ時代錯誤の「置いてきた男根コンプレックス」の反動としてでてきたみっともないいい訳だと思った。
芸を極めて家庭も省みりゃいいだけの話。
できないんだったらそもそも女も家庭も作らなきゃいいのに無責任な。

作中で土方は、猿渡佐渡守の妹という高貴な身分の佐絵に
「身分の差を俺が捨てさせてやる」といいながら、夜這いをかけるだけかけるのだが、
大事な局面では「男とはそういう生き物だ」で処理される。
お前のことは好いている、それに偽りはない。
だが男とは・・・

男はどこまでも特権階級だといわんばかりか、
「男とは・・・」という免罪符を手に入れてはしゃいでる子供のような幼稚さまで感じる。
そう考えると、この土方は「悪魔のパスポート」を手に入れたのび太かのようだ。

京都焼き討ちの計画を吐かせるときも、史実を曲げてまで池田屋の情報を握ってる人物をこの佐絵に設定した。
それは創作物としては問題ないのだけど。
「女にそこまでしなくても」という近藤に、土方は非情なまでの責めを与え、最後は優しい言葉をかける。
「俺だ。歳三がきたぞ」

女は「歳三様・・・」と気を許し池田屋の情報を教える、かくして京都は守られたのであった。

・・・・はあそうですかと。

女として生きたかっただけなのに、土方と時代に翻弄されて死んでいった悲劇のヒロイン。
そして、悲恋に負けず時代を背負っていく男。
ここで描かれたのは、男として生まれた者の宿命と、女として生まれた者の宿命。

それお前の考えた「宿命」だろと突っ込みいれる人間が、この時代のこの映画のかかっていた映画館には皆無だったろうから、まあいいんだけどね。

土方は最後に自害した女を前に
「俺が殺した・・・」と後悔するのだが、
直後に土方が
「しかし男とは・・・」と言い出しかねない、そんなヒヤヒヤするような危うさがある。

その悔恨の描写までも含めて、どこまでも悲劇に酔い、そして男の宿命に酔ったスタッフの気持ち悪いナルシズムしか感じられない映画だった。
ああキモい。

*****************

ところで、この主演俳優、栗塚旭は、
前年放送したTVドラマ「新選組血風禄」の土方役を受けての今回の映画出演で、その後TVドラマになった「燃えよ剣」(1970)でも土方歳三を演じ、定番の土方として長らく土方像を独り占めしていた人らしい。
’04年のNHK大河『新選組!』は僕も見ていたが、
歳三の兄、土方為次郎役で出演していたそうで、そんな粋なキャスティングしてたとは気付かなかった。

2005.05.12 Comment:0 | TrackBack:0
依存症に興味があって、2chの依存症系のスレをいくつか見ている。
というのも、僕自身がネット依存で廃人並の生活を経験したことがあるからです。

そこから興味を持って”ネット依存”。
同じネット系の”ネトゲ(MMORPG)依存”。
”アルコール依存”、”ギャンブル依存”などのスレも見るようになって、
それらを定期的にチェックしています。

特にMMORPGにからめて依存症のことをいずれ書くこともあるかと思っていたけど。

昨日の昼から僕が見ているパチスロ系依存症スレのひとつで、かなり熱い投稿があったので、
ぜひこれは紹介しておきたいなと。

正午からはじまった書き込みは、携帯から書き込んでいるからなのか、数行ごとのぶつ切り連投で、荒らしのような爆撃状態。
しかし住民の誰もが文句も言わず投稿を見守っていたと思う。

普段ROMの僕も応援レスでもつけようかと思ったのだけど、運悪くプロバが規制を食らって書き込めなかった。

しかしこの作者の体験談は一切語気を緩めることなく、最後まで語りきったようだ。
連続投稿が終わったのが、夜中の1時半。

いろんな人生があるだろうけど、パチプロの世界にもドラマがあるんだなと感銘を受けた。
そして、依存で苦しんだ人間の生の姿が活写されている。

いろいろ考えさせられる力のこもった告白だ。
細切れの投稿をひとつにまとめて編集させてもらいました。


607 名前:( ´∀`)ノ7777さん[sage] 投稿日:2005/05/02(月) 12:06:13 ID:B0kfugkP
かなり長文だけど投下しますm(__)m
別に意見もいりません
ただなんとなく書きたいから書いてるだけなので、気が向いた人だけ見てくだはい


もう、十数年前になりますが。連れと二人して学生パチプをしてました。大学は違いました・乗り打ちしてたわけでもなく、ただ話相手が欲しかったのかもしれません。とにかく毎朝待ち合わせしてパチ屋に出掛けておりました。


それほど仲良かった?のですが、決別の日は意外と簡単に訪れました。
理由は、よくココにも書いてある【俺ってこんなに小さい人間だっけ】
パチプ特有の嫉みです。


ジクマスタイルでしたから、パチ屋に着いたら店を変える事はありませんでした。
ただ・打つ機種は違ってたので、閉店まではバラバラ、閉店後にファミレスで飯喰って収支報告やら感想やらを話して帰ってました。


そんな毎日を送る中で、一人のパチプと出会いました。
年の頃は四十代後半、非常に気さくで、かなりの腕なのは知ってましたから、朝並んでいる時に情報を聞いたりしてました。
今でこそ、雑誌で情報を得る事が出来ますが。昔は台の入れ替えが遅いかわりに、確率なんかは不明の時代でしたので、今で言う波理論が支流でしたし。千円あたりの回転数も、経験から導きだされたものでした。


あの店は25/1Kだった、
この店は30/1K
あっちのイベントは40/1Kで、何回だしたから
●回当てたいなら、最低でも千円あたり●回はする台を探す必要がある・・・てな感じです
伝えきれなくてスイマセン


二人共、釘はソコソコ見れたので、その店内で回る台を探す事は容易に出来たのですが、台情報がないのと・他店の状況を知らない・釘も完璧にはみれてないので、ゲージパターンが違うと悪戦苦闘してたので、そのパチプの話は大変為になってました。


そんな、ある日、連れが弟子にしてくれと言い出しました。
稼いでるヤツに学のが一番速いと思うので、正しい選択だったと思います。が・当時の私は引きました。
なおかつ、親父が「俺に付けば、月30は固いから」との理由で、毎月五万の先払いを要求しました。
平均で15・多いときで20は取れてた俺は断りましたが・連れは、それで契約したようでした。

その日から、朝の待ち合わせがなくなりました。
オヤジと行く店を決めるから・・・とぃうのが理由でしたが
夜、ファミレスでの雑談は続けてました。お互い楽しかったのでしょう。今日は幾ら勝っただの、あの台はどうだだの、くだらないパチ話を小一時間くらいして帰ってたのですが。
その収支報告が全て嘘だったのに気付く日がやってきました。


彼の収支には疑問を感じてました
明らかに勝ち額が減っているし、負けの日が多くなってたのです。
しかし負けたと言われれば信じるしかないので、晩ご飯は私の奢りでした。
私は定期的に勝ててたのですが、日に3・4千円だと、その日の稼ぎはファミレスに消えてました。
2・3ヵ月前に【もっちゃん】で、そっくりの話があってました。


その日、「オヤジはパチ休だから」と電話が入り、連れの車で一緒に行く事になりました。
朝・コンビニに寄り買い物するというので車で待ってた時、後部座席に一冊の手帳を見付けました。
中をチラ見すると、収支帳でしたが、書いてある額が半端じゃないくらいにプラス収支を続けてるのです。
パチ屋に着いても気になって気になって・・・昼過ぎに「ちょっと昼寝するから」といって車を借り、詳しく読んでみました。


見付かるとマズイと思ったのでしょうか!いつの間にか手帳は座席の下に移動してみました。
中を開くと
5月●日 +30000
5月●日 +20000
5月●日 +50000
5月●日 _10000 
5月●日 + 8000
オヤジが最初に言ったとおり、平均月30・多い時は月50、毎月が+収支なのです。
私は怒り狂いました。
その時の私は伸び悩み、なんとかプラス収支を保てているものの。
その殆どを連れとの豪遊に使ってましたし
それ以上に騙されたという事実
いや、たぶん私より倍以上稼いでる嫉妬が大きかったようです。
とにかくイライラしました。


しかし、勝手に人の手帳を見た負い目がありますから、それを口にするわけにはいきません!
納得出来ないままホールへ戻りました。


ホールへ入ると、連れが出玉交換してました。
出たのか?と、声をかけると、慌てた感じで「いや、まだ負けてる、最初に三万突っ込んだからさぁ、」と
いや、そんな筈はない、朝一5千円くらいで初当り引いてるのを見たから、時間的に考えても飲まれてないはず。
とりあえず本日の日当を確保する為の交換だ!
すぐ解りました。
が、それを口には出せませんでした。
その日から、私は連れの行動を監視するようになりました。
つぬく



<中休み>
食事でもして休憩したのか、しばらくの中断の後まだ続きます。


今・思い返せば、自分が何をしたいのやら?つくづく疑問に思います。
とにかくヤツの出玉が気になります。同じ店に居る時は、一時間おきに出玉チェック、違う店に居る時は早めに切り上げて、コッソリ様子見をしていました。


夜は毎日のようにファミレスであってましたが、開口一言めには「負けただの・いまいちだの」とにかく、口には出さないけどオゴッテクレ・と言ってるようなもの。
ですが、私はレジで「別々に」の一言
なんで?勝ってるから出してくれよ!最近ケチになった・・・とまで言われて頭にきましたが、それ以上に頭にきたのが、ヤツが俺より勝ってる事・金持ってる事!
ほんとに浅ましい性格になりさがってました。
しかし・なぜ会ってたのか?たぶん互いに友達もなく、学校もさぼりがちで同じ境遇でしたから、傷の舐めあいとでも云うのでしょう!
とにかく大学で友人と話す時の、劣等感・焦り・何よりも話題があわないなどの孤独感、そういうのは感じませんでした。


しかし、こちらのイライラに連れも気付きだしたのか?次第に連絡が減り、疎遠になったまま十年が過ぎました。
そして、つい先日、居酒屋でバッタリ
あの時流れていた不穏な空気は、時が解決してくれたようで、自然に会話が出来ました。
俺が、あの時お前が収支を誤魔化して奢らせていただろう!知っていた!と告げると、連れは素直に謝ったうえで答えました。

「あれはサトウ(仮名・おやじの事)から、言われた、パチプにとって現金は命だから勝っても使うなと・・・・」せこくねぇ?「最初はセコイと思ったさ、でも嘘つくのが当たり前になってな・・・」とにかく奢らせて遊べと・・いう事らしい

俺は、奢らされて事は気にしてなかったから、それ以上何も言わなかった。
それよりも、こいつが十年間、何してきたのか?そっちの方が気になった。


俺の十年間は、振り返ると何もない!機種は覚えている、パチ屋であった修羅場のような出来事も覚えている、でも肝心の打ってる自分の姿は思い出せない・・・収支帳見れば、いつ・いくら勝ったのか、なに打ったのかは解るが。
どういう展開があったのか・何が楽しくて・何に苦しんだのか・・・わからない。
浦島太郎って、こんな感じ?今が夢の中なのか・過去が夢だったのか?

だからヤツにまで差がつけられているのが、恐かった。何か思い出を持っているのかが恐くて聞けなかった。
脱パチ屋系のスレを覗くと、時間が無駄だの書いてある!最初は意味わからなかったが、止めた今はよくわかる
俺もパチ屋で使った金全額返すより、パチ屋で使った時間の全てを返して欲しい。


連れと疎遠になって、しばらくは常に+収支を保てていたが・・・時代はCR機への強制移行を求めていた。
CR?誰が打つか!そう思った人は、かなりの数にのぼると思われる。
俺も最初は止めるつもりでいた・・・でも連チャン機が撤去され、完全ノーマル機ばかり、そのノーマル機も釘はガチガチ。平台はなくなり、パチ屋に行く以上CRを打つしかない状態になってきた。

最初に手を出したのは花満開でした、誰も打ってない島で、何げに釘チェックしたらガバあき。
試しにワンパッキー勝負してみると、千円で40回転くらいするわけですから、自然と手が出ます。
気が付けば毎日花満開打ってる状態でした。


肛門ちゃま、源さん辺りになると、皆さんCRに目が向きだし、競争も激化。
人気と反比例するように、釘は渋くなる一方。
それでも一発があるから打ち続けましたが、収支は安定するどころか、みるみるうちにマイナス。
当時二百萬あった貯金は、0になり・学費にまで手をつけるのに、二年かかりませんでした。


今ほど簡単に金借りる事なんて出来ませんし
金貸しは皆闇金と思ってましたから、学費の使い込みは、そのまま除籍への道と・なりました。
もちろん親からは糞味噌のごとく怒鳴られましたけど、友達も居ませんでしたし、何の躊躇いもありませんでした。
ただパチ費用が底着いていたので、その事が気になってました。


さすがにプー太郎はマズイかなと思い、就職しました。おかげでパチ費用は用立て出来ましたが、今度は打時間がありません。
リー満パチプで勝てる人を見てみたい・・・データチェックも出来ないし、打のは一番不利な日曜のみ。くわえて入れ替えラッシュが、この頃から始まり、イベントは平日のみ。
ただ資金には困らず打てましたし、この頃・先輩の勧めで皿カードを2・3件作りました。
その後、一年で退社してます。
理由は、年収300程度ならパチで稼げる。
昔採った杵柄ですね


再びパチプに戻ったわけですが・・・時代はかわってました。
波の荒いCR、運まかせの確率、早い周期の入れ替えにはついていけず、作っていた皿も全て満額の百万に達しました。
しばらくは新台入れ替えのみを狙う立ち回りに撤しましたが、店も馬鹿じゃないですね・・・入れ替え初日から回収かけてくる店が出てきました。


そしてスロットに流れました。
スロはよかったです、あっと言う間に借金精算し、再びプラス収支へと戻りました・・・・しかし長くは続きません。
パチプなんて店の思惑で、そく地獄に落とされる事を、ようやく気付きだしました。



毎日通ってた店がありましたが、急に出さなくなりました。信頼度抜群のイベントさえガセばかり。
朝、並んでると、常連から「こんなん出さないなら、この店は潰れる」などの声が聞かれました
私も、今日は出すだろう、いくらなんでも出さないと客飛ぶだろ・・・など勝手な思い込みで通い続けましたが、その店の出玉が賑わう事無く、それから半年で倒産しました。
今思い返せば、あからさまな計画倒産?だったと思います。


束の間の春でした。プラスだった収支も、あっと言う間に転落。ガセイベントの横行も手伝って、気付けば、2百万の借金を背負ってました。
本当に惨めなもんです。学生に交じっての日雇いバイト・・・クタクタになって手に入れた八千円を握り締め、汗も流さずパチ屋へ直行したにもかかわらず、一時間も居れないで帰宅。


昼食代も持ってないので、家でオニギリ作って日雇いへ・・・ジュースも我慢して作った金をパチ屋へ。
この頃からパチンコに対する嫌悪感を持ちはじめました。止めたい・・・止めれない?止めれない自分がいる事に気付き出しました。


とにかく金・金・金の毎日です。皿への返済も苦しくなり、二回目の就職に踏み切りました。
最初の一ヵ月は昼飯代どころか、バス代もなく涙が出る生活でした。
給料が入りだすと、なんとかお金が回りだしました。


お金が回りだすと、三度パチ屋通いへ。
返済に回す、お金を使い込みがちになり、返済が滞る自体になりました。皿からの督促電話が会社にもかかりだし、気まずさに耐えられず退社へと追い込まれました。


退社を知った皿の矛先は私の実家へと向かい、当然のように親バレしました。
30に手が届く年令で親に泣かれ・怒られ、自分が惨めで惨めで
結局、親から借りての返済、同時に親の経営している会社に就職し、平からの出直しを誓いました。
時同じくして、依存症とぃう言葉を耳にするようになりました。
依存症?まさか俺も?


一年くらいは止めれませんでした、バレたら殺される・・・そう思いながらもパチ屋通いへ、たった一年で再び百万の借金を作った時、はっきりと自覚しました。
俺は依存症・ギャンブルジャンキーだと
震えました、恐怖感が込み上げてきました。
これまでのパチプ生活で、散々見てきてます、ギャンブルジャンキーの行く末を。
俺もあぁなるのか?

しかしココを見付けだしました。借金スレ・負けスレ、パチンコは麻薬や誰かの日記なんかを読んでると、馬鹿馬鹿しくなり。
なんとか止めて一年になろうとしてます
なんか一年たつと、完全に打つ気しなくなりますね!本当に助かりました。
ココに来るという事は、今でも未練はあるのでしょう・・・が、冷静に判断出来るようになりました。昔のパチを知っているから、今の状況が、いかに不利かを
店の規模をみても、もう戻らない事を


全ては話しませんでしたが(話せませんが)
大学辞めた事や、親の会社に勤めだした事、そしてパチンコは完全に止めた事を、連れに話すと・ヤツも語りだしました。

彼は、一年目に大学を辞めてパチプ一本に絞り、三年間で700萬の貯金をしたそうです。
一千万を狙ったところへCRの波が、最初は何とか凌いでいたそうですが、結局俺と同じでマイナス収支へ。

オヤジも負け込むようになり、次第に集られるようになったそうです
一日五万だの十万だのかしてる内に、一年で二百萬も貸させられ。
返済を要求したところでドロンされ、丸損。
自身も百万減らし
トータル三百の浮きで足を洗ったそうです。

その後、土建屋に就職し、昨年独立
どこまで本当かはわかりませんが・・・
私も、収支帳は点けてましたが家計簿は書いてなかったので、詳しくはわかりませんが、散財&豪遊の金額を考えると、パチンコトータル収支はプラスかもしれません。
それでも二度としたくはありません!


この十数年ねパチンコ人生で得たもの
私・・・遊び癖と粗い金使い
連れ・・?
オヤジ・?

失ったもの
私・・・親の、人の信用。学歴。時間。青春。思い出。
連れ・なれるかはわからないが、司法書士への夢。少なくとも俺からの信用。
オヤジ・・たぶん人生の全て


662 名前:( ´∀`)ノ7777さん[sage] 投稿日:2005/05/03(火) 01:33:02 ID:z2f/Y0Oh
最後に、生意気ですが私から一言
どうか止めようと考えてる方は、その意志を貫き通してください。
私は別にパチプを馬鹿にはしません、実際その中にいましたから。勝ち続ければ何が待っているのか・知りません。
ただ思い返した時に、そこに貴方の人生はない事に気付くでしょう。
なぜ思い出がないのか?知りませんが、それに気付いた時、背筋が凍りますよ。
一度しかない人生大切に



長文お疲れ様でした。
僕は歳も近いし、この人が書いてる機種に当時触ったこともあります。
そのときモーニングで一緒に並んだ友人は出して、僕は負けたのですが、
ビギナーズラックが働いてたら、当時のアホなガキだった僕はどうなってたかわかりません。
金なんて簡単に稼げると勘違いしたでしょうね。

文中のここ。
>脱パチ屋系のスレを覗くと、時間が無駄だの書いてある!
>最初は意味わからなかったが、止めた今はよくわかる
>俺もパチ屋で使った金全額返すより、パチ屋で使った時間の全てを返して欲しい。


ネトゲ依存のスレでも焦点になってることだけど、失った時間は返ってこない。
ギャンブル系のスレでの問題は借金で首が回らなくなったというシビアなものも含まれるのだけど、やはり時間についての書き込みも多い。

同じスレの投稿で印象深いもの
401 名前:( ´∀`)ノ7777さん[sage] 投稿日:2005/04/24(日) 06:36:08 ID:lZXCsRpN
>>399に補足。
どこのコテかと思ったら禁スロスレの>1か。
なるほどねえ。それでモチベーション上がる、か。

俺も打たなくなってひと月以上たつけど、やめられない人達には
同情こそすれ、見下したり嫌味言う気にはなれんねえ。

ちなみに、俺が打つのをやめられたのは
15年近くずるずる打ってたけど、トシとってきて時間が勿体無いなーと
思うようになったら、行かなくてもすむ?ようになった。

負け組の言い訳といわれればそれまでなんだけど、もう負け組でいいし。


587 名前:( ´∀`)ノ7777さん[] 投稿日:2005/05/02(月) 01:11:30 ID:Lj2jQp8a
借金は返せばなくなる。それで人生を棒に振るなんてことはない。
債務整理の方法だっていくらでもあるしね。

でも、失った時間だけは取り戻せない。
2時間もホールをさまよって良さげな台を見つけて6500円浮いて
そんなことを自慢するような時間の過ごし方はもうしたくない。

就職してスキルを身に付けて自分の将来を見つめてみる。
自分が依存症だと気付いた人はスロを打ってた時間がいかに無駄な時間だったか
気付いたはず。勝ち負けじゃない。でも自分の依存症に気付いてない人は?

本当の意味で人生を棒に振っているのはどちらだろう?


589 名前:バルボナ[sage] 投稿日:2005/05/02(月) 01:33:04 ID:sn3pLaha
>587
あんたの言うことも真理をついてると思う。たしかにおれは、目先の
金の動きばかりに一喜一憂して、その裏でひたすら減り続ける時間には
まるで無頓着だった。
まだしも勝てば金は増えるが、時間だけは絶対に増えないものな。


2chで依存症スレはいくつかありますが、
見ていると住人の自助努力で依存脱出にある程度の効果をあげてるのがわかります。
この長文告白をした作者もこのスレのおかげでやめられたといっています。

僕は基本的に2ちゃんねるほどくだらないものはないという、アンチ2ch寄りのスタンスなのですが、
ネット上の相互支援とでもいえる機能を潜在的に持っている巨大総合掲示板2ちゃんねるというものも、まんざら捨てたモンじゃないなと思ってしまいます。
馬鹿とハサミは使いようとはよく言ったものです。

2005.05.04 Comment:0 | TrackBack:0

ネクサスをついこの間見始めたと思ったんだけど、
見るのサボってるうちに、気づいたらネクサスの後番組の宣伝が始まってる・・・。
7月から『ウルトラマンマックス』が始まるそうで。

てっきり1年=52話ぶんやるのかと思ってたので、こりゃ視聴率で苦戦しての37話打ち切りかなあと。
2chの特撮板覗いたら、やはり打ち切りクソ番組扱い。
しかもネクサスアンチスレが大盛況のようで・・・
まあアンチの意見をざっとみてると、言わんとすることはわかります。

アンチに反論する信者の書き込みも負けてないようで、打ち切り説への反論もかなりあるようですね。
信者VSアンチの論争が繰り広げられる作品というのはけっこういい作品だったりしますが、さてネクサスはどうでしょう。

最初から37話終了の予定だった可能性も否定は出来ませんが、
デュナミストが入れ替わるという設定は、広げれば無限のドラマが出来る可能性があっただけに、デュナミストが二人だけで放送終了というのは、やはり打ち切りに近い事情があったんじゃないかなという匂いはします。

視聴率がよければ続投のチャンスもありという感じで始まって、やっぱダメだっただけって気がしますね。

まああまりネット情報を見ると、周回遅れで視聴してる僕の視点も誘導されるので、気にしないで好きなこと書きます。
なるべくリアルタイムで見てるかのように錯覚しながら、いま駆け足でネクサス見てます。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 14.15.16話

「過去は変えられないが、未来は変えられる」
というテーマを、三話かけてやっていた。

憎しみを力にして敵を倒せという女上司、凪の言葉に一見含蓄があるようにみせかけ、
憎しみでは何も解決できないという姫矢のセリフに本当のテーマがあった。

この辺の脚本の技巧の上手さは、ミステリの真犯人にいきつくまでのミスリードの手法にも似ていて、玄人っぽさを感じる。

悲しみの淵にいる孤門に立ち直るきっかけを与えたのは、凪が差し伸べた手。
そこにスポットを当てることで、凪の説教に正当性があると思わせた。
「憎しみでもなんでもいい。目の前のものをなんでも利用し糧にして、這いずるようにしてでも生きていかなきゃいけないんだよな」と。
作家自身が言いたかった、視聴者への前向きなメッセージのように見えます。

そう思わせておいて、この脚本家は前言をひっくり返す。
実は凪自身が孤門と同様に傷ついたまま、かろうじて立ち上がった状態の満身創痍状態だということが薄々わかってくるのだ。

この状況は、傷ついたもの同士が傷を舐めあい、陰のスパイラルを生み出している。
いわば悪しき共依存を表しているように思った。

凪は自分が病んでることにさえ気づかないヤバい状態なわけです。
さらには自分を鏡のように写した孤門に、正しい道と信じて無意識に自分と同じ見せ掛けの回復の道を、毒沼の上にかかった腐ったつり橋とは知らずに歩ませようとしている。
カラ元気の二人三脚で疾走する二人が行き着く先は遅かれ早かれ地獄方面だということです。

憎しみを背負って前進することは、過去の鎖のフックをはらわたにひっかけ引きずりながら、内臓をぶちまけてるような行為に似ている。
前進すればするほど自分を傷つける。

三者三様にトラウマを抱えた凪。孤門。姫矢。
この中で、この苦難になんらかの光明を与えることが出来る人間は、
トラウマに向かい合って乗り越えようとしている男、姫矢だけだったというオチ。

第16話「迷路-ラビリンス-」のクライマックスでは、ネクサスが怪獣の口をこじ開け、口の中の再生臓器を孤門が撃ち、再生するやっかいなこのビーストに止めを刺す。
その姿は、凪と孤門が支えあうのと似てはいるが、共依存というよりはまるで姫矢と孤門が互いをに刺激と影響を与え癒しあうかのような共同作業。
つまりこれはデイケアだ。
ネクサスはメンタルヘルスへの関心が高まったこの時代を反映し、人の心に焦点を当てた作品だということが明確になってきたようだ。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

この構成はかなり見応えのある内容だとは思う。
しかし、そのテーマを表現する手段には少しというか、かなり問題があった。

①姫矢の説教を、孤門が納得するためのエピソードが、テーマとからんでいない。

・ネズミビーストの頭に捕らわれた女の子ごと、ビーストを撃ってしまった孤門は、憎しみの無力さを知るが、憎しみの結果他人を犠牲にしたという相関関係が不明瞭。
極端にいうと、孤門は運が悪かっただけ。
それを憎しみの暴走した結果の悪影響とするのはあまりに雑な展開。

・それだけでなくネズミビーストを撃つまでの憎しみに捕らわれてる孤門の心理描写が足りず、伝わってこない。この辺はやる気がないのか、脚本の意図を読み取れず表現できなかった監督の責任もある。

・なんで二回目に遭遇したネズミビーストを攻撃できず他の隊員に助けてもらったことが「憎しみはなにも生まないと悟る」ことにつながるのかどうしても謎。
孤門が憎しみにかられた経験を思い出し、ネズミを攻撃することに疑問をもって立ちすくんだからこそ、ネズミに攻撃のスキを与えたのであって、あの状況で迷うのは孤門の弱さでしかない。
悟るきっかけとしては役不足すぎる。

②内容の重さに、表現がついていけていない。
傷ついた人間に憎しみを捨てろとまで主人公にいわせる作家は、
自らが人を殺したいほど憎んだ経験か、もしくはそれに相当する見識を明かす必要がある。
そうでないと「お前が言うなよ」という類の説教になるからだ。
もちろん作家は作品の中で勝負するのが本分である以上、作中でそれを表現する必要があるのだが、具体的にどうしたらいいというものではない。
「過去を見るな未来を見ろ」なんてセリフは頭でっかちの能天気な阿呆が言いかねない危ういセリフでもあるのだ。
マニュアルで語ると上滑りになって薄っぺらさと説教臭さだけが目立つ。


実は今回の三部作で、それをやっちゃったんじゃないかと思ってる。
シリーズ構成の長谷川か、監督の小中が意図したことが、各話の脚本家や演出家に伝わってなかったのか。
そもそもこういうテーマそのものが、どこかの小説などのパクりだったりするせいでなのかはわからないが、
テーマに内容が負けてるので、これは残念ながら失敗作。
できあがったフィルムに安っぽさがあったらどんなにテーマが深くても失敗作だ。
逆にパクりであろうと表現できてれば成功作。
やはりフィルムは最終的に監督のもの。小中和哉の力量が問われる場面だったのに。

重いテーマを扱って手馴れた手管で捌く手腕は手塚治虫もそうだった。
もしかしたら手塚の傑作「ブラックジャック」の映像化に小中が成功した(僕はそう思ってる)のは、
その手管が手塚と似たもの同士だったので波長が合ったのではないかと疑ってしまう。
ただ手塚の手練手管は常人のそれから並外れたものだったのだ。

手塚なら単刀直入に殺せという気がする。
ベトナムの戦災孤児が麻酔で動けなくなったアメリカ将校を囲むというBJのエピソードを思い出した。
ただ手塚の場合は問題提起はしても、放りっぱなしで。その語りきらないことさえも感動の演出として仕立て上げる手管が上手かっただけかもしれない。

実は駆け足で第20話くらいまで感想書こうと思ってたんだけど、3話ぶんでこれだ。
ダメだこりゃ終わらないよ。マックス始まっちゃう・・・!

2005.05.03 Comment:0 | TrackBack:0
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。